震災に想ふ

お店に卸す豆をこりこり煎りながら、もの想ふ。

 

去年の今日。311のあの日あの時間にも、こうして豆を煎っておりました。

 

手を止めてツイッターに目を通していると、ツイートがあふれてきた。

「今、東京すごいゆれた」「東北がえらいことになってる」

急いでネットをチェックすると、被災情報が次々あがってくる。

 

出勤時間なので店に向かい、テレビに釘付けになった。

 

津波に飲み込まれていく町。

 

福島原発の事故。

 

 

その日からしばらく、緊張と焦燥と、不安にかられた生活が続いたように思う。

混乱する情報を注意深く精査し、自分になにができるか、なにをすべきか問う毎日。

自分の無力さをもどかしく感じながらも、少しでも前に進まないといけない、という思いが常にあった。

 

一年。少しは成長できたのだろうか。そんで、この国は少しはよい国になったのだろうか。

 

徒然なるままに日暮らしコーヒーに向かひてこころにうつりゆくよしなし事をものぐるおしく考えてみる。

こりこり、からから、豆を回しながら。

 

こりこり、からから。焦っては焦げます。

こりこり、からから。焦がさなくては飲めません。

危ういバランスで、かろうじて成り立っております。

宇宙も世間も自身もコーヒーも。